避難指示?避難勧告?避難準備?スマホの緊急通知に慌てない予備知識!

ペーパー気象予報士のハルです。

いよいよ台風18号が九州に上陸したということで、交通機関に影響が出るなど様々なことが起こっていますね。台風の進路に住まれている皆さんが無事であることを祈ります。

今回の台風18号は暴風域がちょっと大きいようにハルは思ったのですが、それよりも雨の影響が心配されているようですね。例えばウェザーニューズ社が数日前に発表した記事によると、今回は台風だけでなく秋雨前線も同時に存在しているので、両方の影響を受ける地域では「災害レベルの大雨」となるリスクが高いとのことでした。

そうなってくると出されるのが「避難指示」「避難勧告」などといったお知らせです。「避難準備・高齢者ナントカカントカというものが出ることもあります。しかもこういうものはスマホに急に着信したりしますから、びっくりしますよね。

ですので、これらよく似た言い回しの発表がどういう意味をもっていて、どれほどの緊急性があるのかを日頃から認識しておくとよいでしょう。緊急度は「指示>勧告>準備」となっています!


3つの「避難○○」の比較

名称と緊急度の比較

この記事を書いている時点で、NHKニュースで発表された数値を合計すると次のようになりました。

  • 避難指示: 285世帯 448人
  • 避難勧告: 208,715世帯 622,188人

このことからも想像できるように、「指示」は「勧告」に比べて緊急性の高いものです。ですが皆さん、もしかすると「勧告」の方が厳しい表現だと思っていませんでしたか?ハルは思っていました・・・。

内閣府の「防災情報のページ」の「改訂概要」や「概要」にまとまっていますが、次のようなことになっています。

  • 緊急度: … 避難指示(緊急)
  • 緊急度: … 避難勧告
  • 緊急度: … 避難準備・高齢者等避難開始

けちをつけるわけではないのですが、漢字ばかりでしかも文字数が多いので頭に入りづらいように思うのですが!「カッコキンキュウ」までが正式名称であるというのも微妙に謎ポイントです。注目するポイントは「指示」「勧告」「準備」でしょうか。このフレーズの緊急度を覚えておくとよいのではないかと思います。

名称にこめられたねらい

ただ、実はこの名称になる前の呼び名はそれぞれ「避難指示」「避難勧告」「避難準備情報」だったのです。しかしその呼び名では言葉の意味が伝わりづらかったため、適切な避難行動が取られなかったそうです。

平成28年の台風10号による大雨で岩手県の高齢者施設「楽ん楽ん」が濁流に飲まれ、高齢者9人が亡くなるということがありましたが、このとき実は施設の方では「避難準備情報」が出ていることは把握していたそうなのです。ですが施設のスタッフがその意味をよく知らなかったので、適切な避難行動を開始することができず、結果として惨事につながったとのことです。このあたりにまとめられています。

ですので、上でけちをつけてしまった新名称にも、それぞれ重要な意味がこめられているのだと思います。恐らく「緊急」と「高齢者は避難を開始しろ」という部分ですね。色をつけなおしましょう。

  • 緊急度: … 避難指示(緊急)
  • 緊急度: … 避難勧告
  • 緊急度: … 避難準備・高齢者等避難開始

それぞれの避難○○の意味

前述の平成28年の台風10号のエピソードからも分かるように、分かりやすい名称は当然大切ですが、結局は何かの指示が出たときに「自分はどういう行動を取るべきか」と各自が自覚できなければ意味がないな、とも思います。安全な毎日を過ごしているとそういう意識が薄れていきますが、平和ボケしたところに急に台風がやってきたりしますから、事前の心の準備は常に持っておくべきでしょうね。

なお、実際には台風は急にはやってこないのですが、平和ボケしていると「今回の台風でも何も起こらないだろう」と情報収集を怠ったりしてしまうので、主観的には「急に来た」のと同じことになります。

さて、3つの「避難○○」の意味についてです。これも先ほどの「防災情報のページ」の「概要」に載っていますが、次のようなことでした。要約します。

  • 避難指示(緊急)→指定緊急避難場所へ至急避難しろ!ただし避難がかえって危ない場合は、近くの安全な場所、または屋内の安全な場所へ避難しろ!
  • 避難勧告→指定緊急避難場所へ避難するか、近くの安全な場所、または屋内の安全な場所へ避難するのが望ましい!
  • 避難準備・高齢者等避難開始→高齢者など避難に時間がかかる人は避難しましょう。それ以外の人は避難の準備と情報収集を始めましょう。

なお「避難しろ」という要約になっていますが、これは何かの罰則を伴うわけではない(はず)ので、「そのような気持ちで行動しましょう」という呼びかけに過ぎない・・・とは言えますね。

ちなみに全文は次のようになっています。

  • 避難指示(緊急)
    1. 既に災害が発生していてもおかしくない極めて危険な状況となっており、未だ避難していない人は、予想される災害に対応した指定緊急避難場所へ緊急に避難する。
    2. 指定緊急避難場所への立退き避難はかえって命に危険を及ぼしかねないと自ら判断する場合には、「近隣の安全な場所」への避難や、少しでも命が助かる可能性の高い避難行動として、「屋内安全確保」を行う。
  • 避難勧告
    1. 予想される災害に対応した指定緊急避難場所へ速やかに立退き避難する。
    2. 指定緊急避難場所への立退き避難はかえって命に危険を及ぼしかねないと自ら判断する場合には、「近隣の安全な場所」への避難や、少しでも命が助かる可能性の高い避難行動として、「屋内安全確保」を行う。
  • 避難準備・高齢者等避難開始
    1. 避難に時間のかかる要配慮者とその支援者は立退き避難する。
    2. その他の人は立退き避難の準備を整えるとともに、以後の防災気象情報、水位情報等に注意を払い、自発的に避難を開始することが望ましい。
    3. 特に、突発性が高く予測が困難な土砂災害の危険性がある区域や急激な水位上昇のおそれがある河川沿いでは、避難準備が整い次第、当該災害に対応した指定緊急避難場所へ立退き避難することが強く望まれる。

自分ごととして準備をしよう

こんな風に情報をまとめてみると改めて思いました。自分は平和ボケしているなあと。

ですからこういう機会に、自分の住んでいる家は大雨でも大丈夫なのか、土砂災害の恐れはないのか、考えておくとよいと思います。そして避難するとしたらどこへ避難するのか。「避難場所 ○○(自分の住む自治体名)」で検索するとたぶん出てくると思います。例えば東京の八丈島の避難所一覧はコチラです。

その避難場所へ行くまでの道のりは大雨でも大丈夫でしょうか?夜間でも歩いていけますか?もし難しそうなら、家の中の安全な場所(崖などの斜面から離れた、2階以上の部屋)はどこ?近所に頑丈な建物がある?などといったことを自分で考えておかないといけないと思います。

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