身につく気象の原理~気象予報士試験の勉強の前におすすめ!

ペーパー気象予報士のハルです。

気象予報士試験を受けてみたいけど、何から勉強すれば・・・という人向けの本を紹介していきます。

前回ご紹介した「図解・気象学入門」は「気象学とはどんなものか、何が分かっているのか」ということを平易に教えてくれる本でした。今から学ぶことの漠然とした全体像が掴めるという点でとてもお勧めでした。

今回の「身につく気象の原理」(技術評論社:横川淳著・三浦郁夫監修)はそれに比べると少し勉強的なのですが、とかく敬遠されがちな物理の数式の説明が分かりやすいのが特徴です。いきなり「一般気象学」を読むと目が回る人でも、先に本書を読んでからチャレンジすれば乗り越えられると思います!



「気温に関する物理法則」からスタート!

章立てに特徴あり!

では「身につく気象の原理」の目次から抜粋してみましょう。同じ入門書である「図解・気象学入門」とはだいぶ違う並び順です。

1章 気温

  • 1.1 気温に関する物理法則
  • 1.2 太陽からもらったエネルギーで地球が温まる

2章 気圧と風

  • 2.1 気圧に関する物理法則
  • 2.2 天気図から読み解く大気の循環

3章 雲と雨

  • 3.1 水蒸気から雲ができるまで
  • 3.2 エマグラムを理解しよう

4章 毎日の天気

  • 4.1 気圧と気象の関係
  • 4.2 典型的な天気図ができるワケ

5章 困った天気

  • 5.1 竜巻
  • 5.2 ダウンバースト
  • 5.3 雷などの電気現象
  • 5.4 ゲリラ豪雨

ハルが本書の最大の特徴だと思ったのは、いきなり目次が「物理法則」からスタートしているというところです。しかも1ページ目から式が出てくる!

こういう入門書って、「数式を使わずにいかに内容を伝えるか」というのが売りになることが多いと思うのですが、この本は真逆を行ってますね。

そして読み始めてみると「なるほど!」の連続でした。例えばいきなり1ページ目に出てくる数式は

絶対温度[K] = セ氏温度[℃] + 273

という式なんですが、ここで終わらずに、すぐに

例:気温20℃を絶対温度で表現すると、「293K」となります。

と続きます。でもここで終わらない!(笑)さらにこれを図にも表しているんですよ。

出典:身につく気象の原理 p.12

2ページ目にも「運動エネルギー」の数式が出てきますが、これも定義式を示して終わりではなくて、「これでもか」というぐらいかみ砕いた例が出てきます

ところで「図解・気象学入門」には地球くん(ハル命名)が出てきていましたが、この「身につく気象の原理」にはリスのキャラクターが出てきて、これも印象を柔らかくするのに役立っていますね。

全般的に物理っぽい

ハルは学生時代に物理っぽいことを専攻していましたのでちょっと思うのですが、この本の話の進め方って、なんとなく物理っぽいというか、中高で勉強してきた理科っぽいんですよね。

これは悪い意味ではなくて、誰もがたどってきた学校生活での経験の延長で理解できるように配慮されている、という意味です。

本来「気象学」というのは大学で専攻するものなので、大多数の人は蚊帳の外に置かれてしまうものですよね。ですがこの本を読むと「気象学というのは皆さんが勉強してきた理科の延長にあるんですよ」と語りかけてくれているような印象を受けるので、少し安心できます。

著者は理科の先生だった

ここで「はじめに」を読んでみますと(なぜか最初に読まない癖が・・・)、著者は気象学の専門家ではなく「高校生に物理や化学を教える仕事をしている」人なんだそうです。

それでちょっと合点がいきました。何となく理科っぽいところもそうですが、しつこく例を示したりかみ砕いたりしている部分は、恐らく高校生ぐらいのレベルの人が理解しづらい部分なのではないかなと。気象予報士試験を目指す人の気象学に対する知的レベルはそのぐらいでしょうから、ちょうどいいんでしょうね。

他の本を読んだときに比べてこの本がずいぶん詳しいなと感じた部分を挙げてみようと思ったのですが、多すぎて挙げきれませんでした(笑)。一例を挙げますと、例えば次のような図は気象の本を読むとたいてい出てくるのですが、図中にABCDの枠がありますよね。この枠に実はヒミツがあるんです。

出典:身につく気象の原理 p.34

詳しくは本で!となるのですが、他の本を読んだときには何となく読み飛ばしていた数字の意味が、このABCDの枠のおかげでよく分かりました。そういう説明上の工夫が隅々まで張り巡らされている本だなぁと感じました。

勉強を始める第一歩におすすめ!

このようにご紹介してきた「身につく気象の原理」ですが、これは「気象学を勉強してみよう」「気象予報士試験のための勉強を始めよう」とちょっとでも思った人にお勧めですね。つまずきやすいポイントが前もってかなり詳しくかみ砕かれていますから、このあともう少しレベルの高い本を読んでいく場合にもすごく役に立つと思います。

つくづく、自分の受験の時にこんな本に巡り会えていたらなあと思います。特に「一般気象学」を読もうとして挫折しそうになっている人にはとてもお勧めできます。まずはこっちを読んでみましょう!

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