数式の意味を感じるとは?効率を追い求めすぎるとかえって非効率に!

ペーパー気象予報士のハルです。

前回の記事中にこんなことを書きました。

数式の記号が受け容れられるかどうかは別として、数式が何かを意味しているという事実はあるわけです。ですので、文系・理系を問わず、その「意味」だけはきちんと押さえていくことが大切ではないかなと思います。

ここをもう少し掘り下げたいなと思ったので、ちょっと書いてみますね。数式の意味とは?なぜ意味を押さえることが大切なのか?ハルの私見をまとめます。



数式には意味がある!

まず根本的な話からですが、皆さんは「数式には意味がある」と聞いて「そうだそうだ」と思いますか?思っていただければ早いんですが、そうでない方のためにハルの考えを書きますよ。

例えば気象予報士試験の勉強の最初の方で出てくる「静水圧平衡」という単元に

  • ΔP = -ρgΔz

という式が出てきます。この式に「意味」があるわけです。まず4つの文字の説明から入ります。あ、6文字か7文字に見える人もいるかもしれませんが、この式にある文字は「ΔP」「ρ」「g」「Δz」の4つです。文字と言うより未知数と言った方がよかったかも。

  • ρ(ロー):空気の密度
  • g(ジー):重力加速度
  • Δz(デルタゼット):高さの変化
  • ΔP(デルタピー):高さがΔzだけ高くなったとき、それに合わせて変化する圧力の値

で、この式の意味として最低限とらえた方がよい(とハルが思う)のは、次のようなものです。

  1. 頭の中に地面から上空まで伸びる空気の柱を想像します。
  2. その中に高さΔzの直方体を想像します。
  3. その直方体の質量はρΔzだから、かかる重力の大きさはρΔz・gです。
  4. だから直方体の下の方が圧力がρΔz・gだけ大きいので、逆に直方体の上の方は圧力がρΔz・gだけ小さくなります。なのでΔPの式にはマイナスがつきます。

もちろん、この理解の背後にはもう少し前提があります。例えば「この空気の柱の底面積は1平方メートルにする」とか、「各高さの直方体の重さを支えるのが気圧である」という前提条件などです(その辺は当然、たいていの本には書いてあります)。が、まあザックリ意味をとらえるというのは上記のようなことじゃないかなと私は思います。

数式の意味を理解する「必要」はあるのか?

次に、その数式の意味を理解したり覚えたりする「必要性」について述べます。

これについては、ハルは「できるだけ理解しようとすればいいんじゃないか」というスタンスです。

そもそも「必要かどうか」という議論は「どういう目的のために必要か」ということを決めないとできませんので、ここではまず「気象予報士試験に合格しやすくするため」という設定にしましょう。

こういう目標設定をしますと、数式に関しては「とりあえず問題が出たときに使うべき式を思い出して使えればOK」ということになります。

静水圧平衡の式は実際に使いますし、場合によってはこの式を発展させて積分した形にして使うこともありますが、それだけならば「意味は分からないが記号で覚えていても使えればOK」という意見も成り立ちます。もっとも、意味が分からない人が積分まではできないような気がしますが、そういう問題は飛ばすという手もありますから・・・。

ですが「数式の意味を理解する」ということにはもっと大切なメリットがあります。それはだいたいこんなところです。

  1. 数式が表している事実を理解できるということ。これは数式そのものを試験で使うかどうかに関わらず、試験合格のためには有用です。仮に試験で数式そのものを使わないとしたら、「数式が表す事実」が問われるに決まっているからです。
  2. どんな式だったかうろ覚えになったときに思い出しやすいこと。万一「デルタピーイコールマイナスロージーデルタゼット」と記号で丸暗記していたら、どこかを忘れたときに思い出すことができません。例えばマイナスが要るのか要らないのかといった部分ですね。ですが「上空ほど気圧が下がる」ということを前述のように理解していれば、マイナスがつくことが自然と思い出せます。
  3. 応用問題が解けるようになること。例えば「空気の密度は○○である。重力加速度は○○である。高さが100m違ったら気圧はいくら違うか」というような問題であれば、公式に数値を代入すれば解けますが、もっとひねった問題だとどうでしょう?代入だけで解けない問題はいくらでも作ることができます。

ただし、数式を理解する能力や好き嫌いは人によってかなり違いますから、「意味を理解する」ということには許容範囲を広めに取っておく方がいいですね。ハルも全部の式の意味をしっかり理解できているわけではありませんし、もしかしたら理解できていない式の方が多いかもしれません。まして文系出身の人なら理解が苦しい式の方が多いのが普通でしょう。

ですから、前回の記事でちょっとご紹介した「気象予報士かんたん合格ノート」(技術評論社・財目かおり著)に書かれているように

理系科目だけは絶対無理という方は、数学・物理に固執せず、潔く諦めて、よく出てくる重要な数式を日本語で理解するようにしましょう。

というスタンスでいいと思います。ただ、日本語で理解するためには誰かが数式を日本語に翻訳しないといけませんので、それを誰がするのかという問題はあるような気がしますが・・・。

どのくらいのレベルの数式が出るのか?

ちょっと気になったので「一般気象学」を見てみたのですが、まあざっと「高校で習う物理」「大学の教養課程で勉強しそうな物理学」ぐらいの数式が出ていますね。

例えば今回例示した静水圧平衡については、高校の物理で水圧を導出するときに出てきたような気がします。静水圧平衡という名前ではなかったですけど・・・。

Δzなどの微分形で書かれた式を積分するあたりは、大学の最初の方で勉強しますね。文系の人にはちょっと辛いかなという気はしますので、誰か理系の人に質問するのがいいのかな・・・。

最後の方に発散とか渦度というのが出てきますが、これは大学で学ぶdivとrotですから、やはり理系の人にとっては理解可能ですね。文系の人はこのへんは式ではなくて図で理解した方がいいかなと思います。実際「一般気象学」でもこの部分の数式は「微分に慣れた読者のために追加すると」という形で紹介されていて、本文は図と文章だけで進んでいます。

まとめ:数式の意味をなるべく理解しよう!

まあ今回言いたかったことは、

  1. 数式には意味がある!
  2. 数式の意味はなるべく理解しようとした方が、気象予報士試験に合格するためには有利!

という2点ですね。異論はぜひお聞かせください!

こういうことを書こうと思ったのは、前の記事に出てきた親戚の子(中学生)を見ていると「本人は効率的に勉強しているつもりで公式を丸暗記しているけど、実際には意味が分かってないから応用問題に手も足も出なくなっているなあ」ということを感じるからなんですよね。

気象予報士試験に当てはめると「試験に受かればいいからとりあえず意味より公式だろ~」というスタンスで勉強していくと、少しひねった問題が出るだけで手も足も出なくなり、結局最初からやり直し・・・ということになりかねません。

なお、本記事ではあえて「合格後」には触れませんでしたが、恐らく合格後に何かをしようとすれば、やはり式の意味を理解しておかないと何もできなくなると思います。これは単なる想像です。

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