数式の意味を感じるとは?「みはじ」を例にして「解き方」と「意味」の違いを書いてみる!

ペーパー気象予報士のハルです。

前回の記事は、気象の勉強を始めた人にしか伝わりにくい内容だったかなと思ったので、誰でも知っている「道のり・速さ・時間」の関係を題材にして、もう一度「数式の意味」についてまとめておきたいと思います。

なお、前回も書いた通り、ハルは「意味」を理解する方が勉強がはかどると思うし、試験にも受かりやすくなるという考え方の持ち主です。



有名な「みはじ」は解き方?意味?

マルの中に「み」「は」「じ」

知っている方も多いと思いますが、小学校で習う「速さ」の単元で「みはじ」というテクニックがあります。ハルは習った覚えがないのですが、ハルの親戚の中学生(数学が苦手→関連記事はコチラ)は習ったことがあるそうでした。

こんな方法です。

まずマルの中にTの字に線を引き、マルを3つに分けます。その3つの中に「み」「は」「じ」という文字を書きます。それぞれ「道のり」「速さ」「時間」を表します。

そして、求めたいものを指で隠すのです。例えば「道のり」を求めたいと思ったら「み」を隠します。すると「は」「じ」が横並びに残ります。ここで「横並びはかけ算を表す」というルールを設定するのです。そうすると「み = は×じ」という式が出てきます。つまり「道のり = 速さ×時間」という正しい公式が得られます。

では「速さ」を求めたいと思ったら?もちろん「は」を隠します。そうすると「み」と「じ」が縦に残ります。今度は「縦並びは割り算を表す」というルールにします。ちょうど分数のイメージですね。下にあるもので割るのです。そうすると「は = み÷じ」という式になります。これは「速さ = 道のり÷時間」ということで、これまた正しい公式です。

最後に「時間」を求めたいと思ったら?「じ」を隠せばOKです。「み」と「は」が縦に残りますから、「じ = み÷は」、すなわち「時間 = 道のり÷速さ」という正しい公式が得られます。

ちなみに「道のり」のかわりに「距離」として、「きはじ」とか「はじき」という風に覚える覚え方もあるようですね。

「みはじ」は意味を表しているか?

さて、この「みはじ」の方法は「数式の意味」を表しているのか?ということなんですが、ハルはNoだと考えます。これは「解き方」であって「意味」ではないと思うのです。

それがいいことなのか悪いことなのかは置いておいて、まず「解き方」と「意味」の違いについて述べますね。これは当然ハルの個人的な考え方ですので、「なるほど、ハル氏は『解き方』や『意味』という言葉をそういう風に使っているのか」と思っていただけるといいかなと思います。

ハルがどうしてこの「みはじ」の方法を「意味」だと思えないか。一つの理由は、

  • 「み」「は」「じ」に何か別のものを割り当てても同じように答えが出てしまう

というところにあります。

例えば、読者の方はご存じないかもしれませんが、ハルが学生時代に専攻していた分野に次のような関係式がありました。

  • 等積率 = 計測誤差×異方係数

これって「道のり = 速さ×時間」と同じ形の式ですから、「みはじ」のかわりに「とけい」と書いたマルを用意すれば、同じように答えが出ます。

例えば「計測誤差が0.04、異方係数が0.3であるとき、等積率を求めよ」という問題があったら、「と」を隠せば「と = け×い」という式が出てくるので

  • 等積率 = 0.04×0.3 = 0.012

のように答えが出てしまうわけです。

でもこれって「等積率」が何なのか、「異方係数」が何なのか、全く分からずに答えを出しているわけですよね。それって「意味」が分かっていると言えるのでしょうか?私は「この方法を使っていても、意味が分かっているとは言えない」というスタンスです。

ちなみに上記の公式はでたらめです。「等積率」とか「異方係数」などとググってみても何も出てこなかったでしょう?(もしかしたらこのページが出てくるかもしれませんが!)そういう風にでたらめなものであっても、意味の有無や真偽の程と関係なく使えてしまうのがこの「みはじ」の方法なのだと思います。

「みはじ」の背後にある「意味」とは?

では「みはじ」の背後にある「意味」とはどういうことなのか。例えばこんなことです。

まず前提知識として

  • 速さとは、単位時間(例えば1分)あたり進む距離のことである

という言葉の定義は覚えているものとします。そして次のような問題を考えましょう。

  • 毎分100mの速さで歩くと、30分後にはどれだけの距離を進むか?

この問題に対して「みはじ」を使わずに考えます。すると次のようになるでしょう。

「毎分100m、つまり1分間に100m進むわけだから、2分なら200m、3分なら300mだ。ということは30分なら・・・」

ここで「100mを30個集める計算は、かけ算だ」ということを思い出します。これは小学校の低学年で習うことなので、感覚レベルで理解している人がほとんどだと思います。そうすると、

「進んだ距離は、100×30 = 3000mだ」

という風に答えを出すことができます。これはもちろん「み = は×じ」という方法で出したものと一致します。

あるいは次のような問題を考えましょう。

  • 40分かけて2400m歩いた。この人の速さはいくらか?

これも「みはじ」を使わないと次のようになるでしょう。

「40分で2400mだから、1分あたりに直すためには、2400mを40分割しないといけない」

ここで「40分割する計算は、『÷40』という割り算だ」ということを思い出さねばなりません。これも小学校の前半で習うことで、やはり感覚レベルで理解しているでしょう。そうすると

「1分あたり進む距離(つまり速さ)は、2400÷40 = 60mだ。つまり毎分60m」

という風に答えを出せます。これは「は = み÷じ」という方法で出したものと一致します。

このように「どんなときにどんな計算方法をするか」(例えば同じものを繰り返して足していくときにはかけ算だ、とか)というのは別で理解しておいて、問題の設定から適切な解き方を呼び出す・・・ということができるのが、「意味が分かっている」ということだと思います。

さあ!どっちがいいのか?

長々と書いてきましたが、どっちが「いい」のでしょうか?

「みはじ」の方法の利点は「何も考えなくても答えが出せる」ということにあります。もちろん九九や割り算はできないといけませんが、そこも電卓があればクリアできます。

それに対して「意味」派の人は、問題ごとに状況をイメージして、「40分割するから割り算を使おう」などといちいち考えないといけません。考えたあげく、計算までしないといけません。

これだけ考えると「意味を考えるって時間の無駄なんじゃないの」と思ってしまいそうですが、ハルはそう思わないのです。理由をツラツラと書いてみます。

  1. 意味が分かる方が、複雑な問題に対処しやすい
  2. 意味が分かる方が、公式を忘れても自分で作れる

主にこの2点ですね。

1番目の「複雑な問題」というのは、いわゆる「応用問題」というやつのことです。例えば

  • 昨日のドライブは3時間で100km走った。今日のドライブは4時間で110km走った。昨日と今日でどちらが速かったか?

みたいな問題に対して、「みはじ」派の人は恐らく昨日と今日の速さをいちいち計算して比べるのでしょうけど、「意味」派の人は次のように考えるでしょう。

今日は昨日より1時間延びて距離が10kmしか増えていないんだから、3時間だったらたった30kmにしかならない。だから今日の方がだいぶ遅かったはずだ。

この方が早いし、何となくもっと複雑になっても対処できそうな気がしませんか?

2番目はもうその通りの意味ですね。「みはじ」は書く順番を忘れたりしたらもうお手上げですが、「意味」派の人はそもそも公式を覚えていないので問題が起こりません。もちろん、「同じものを繰り返して足していくときはかけ算を使う」ということ自体は覚えておかないといけませんが、これは「みはじ」よりもはるかに適用範囲が広いので、ほぼ忘れることはないと言えるでしょう。

ハルは「意味」派です!

たくさん書いてきましたが、最後に述べたような利点があるので、ハルは「意味」派です。

そうすると例えば「密度」とか「湿度」とかも「密度とは・・・」「湿度とは・・・」ということを覚えておけば、公式を覚えていなくてもすぐに「割り算だな」とか「かけ算だな」ということが判別できます。

また、上記の利点には書きませんでしたが、ハルの思想として「そもそも勉強する対象が何であるかを理解するように努めるのは当たり前」というのがあります。つまり「速さが何であるかを理解していないが、速さの数値は求められる」というのは好きでない、ということですね。「一般気象学」の記事に登場した大学時代の友人の言葉を思い出します。

友人「久しぶり~。最近どう?」

ハル「いや~ドイツ語が面白くなくて。まあ単位は取れるようにしてるけど」

友人「そうなん?俺はせっかく勉強するなら使えるようになろうと思って勉強してるよ」

ハル「(絶句)」

これはもちろん個人の価値観ですから読者の方に押しつけるつもりはありませんが、このサイトの管理人はそういう人なんだと知っていただければ。

それと、「意味」派だからといって全ての式を「覚えていない」わけではないですから、ご了承くださいね。むしろ「意味を理解した上で徐々に覚えていく」というのが自然です。

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