太陽定数は電子レンジ並みの数値!?太陽から地球に届くエネルギーの割合とは?

ペーパー気象予報士のハルです。

色々忘れてるから勉強し直さなきゃな~と何気なく「一般気象学」をパラパラめくっていると、ある数値が目に付きました。

気象予報士なら誰でも勉強する「太陽定数」という値です。

これは地球の断面積1m2あたりに毎秒届く太陽光のエネルギーのことで、

太陽定数 = 1370 W/m2

という値です(太陽光に対して垂直な断面積1m2あたりです。地表面は曲がっていますので、地表面の1m2あたりとなるとまた違う数値になります)。

えっ1平方メートルあたり1370ワット?うちの電子レンジは1500Wまで出ますが本当?と思って、納得するために計算してみました。


太陽光のほとんどは地球に届かない

太陽と地球はおよそ1億5000万kmほど離れていて、地球の直径はおよそ12700kmです。仮に1億5000万kmの中に地球をギッシリ詰め込んだとすると、12000個ぐらい入ります。

言い換えると、地球を直径1cmのパチンコ玉だとすると、太陽は12000cm(=120m)先にあるということです。120m離れたところにまぶしい電球があるとして、その電球の光は手元のパチンコ玉にどのくらいあたるでしょうか?ほとんどあたらないことが想像できると思います。次の図ではパチンコ玉が小さくてほとんど見えませんが、これでもパチンコ玉の縮尺は100倍です・・・

太陽定数を計算してみる

ちょっと計算してみました。太陽の明るさをワット(1秒あたりのジュール)で表したものを太陽光度と言います。1秒間に宇宙空間に向けて放出されている太陽光のエネルギーのことです。wikipediaで調べてみると次のような値になっていました。

太陽光度 = 3.83×1026W

1026という表記は「10を26回かけた値」という意味で、「1兆の1兆倍のさらに100倍」といった数値になります。これだけのエネルギーを持った光が毎秒、太陽から宇宙空間に向けて放出されているわけです。

その光のごくごく一部が地球に届きますが、地球上の表面積1m2あたりに毎秒どれだけのエネルギーが届くのでしょうか。これは計算することができます。

先ほどの3.83×1026Wというエネルギーを持った光は、太陽を中心として四方八方に均等に放出されます。ですので光が太陽から出て1億5000万km先の地球に届いたとき、その光と一緒に出た全ての光は「半径1億5000万kmの球面上」に届いていることになります。その球面上の1m2を通過するエネルギーを求めるには、わり算を利用すればOKですね。

地球上の表面積1m2を通過するエネルギー
= 3.83×1026W ÷ 半径1億5000万kmの球面の面積
= 3.83×1026 ÷ (4×π×(1.5×1011)2)
= 3.83×1026 ÷ (28.26×1022)
≒ 1360W

このように計算できます。「1m2あたり」の計算ですから、球面の面積を求める際にはkmをmに直しています。出てきた数値1360は、「一般気象学」に出てくる数値1370とほぼ同じと考えてよいでしょう。

こうして、地球の表面1m2あたり毎秒降り注ぐエネルギーは電子レンジ並みだということが確かめられました。

太陽光のうち何%が地球に届くのか?

ちょっと別のことを計算してみました。それは「太陽から出ていく光エネルギーのうち何%が地球に届くのか」ということです。上にも述べたように「120m向こうにあるパチンコ玉に光を当てる」という話なので、ほとんどの光はパチンコ玉(地球)に届かないはずなのです。

この計算も大して難しくありません。太陽から出た光が地球に届くとき、一緒に出た光は「半径1億5000万kmの球面上」に届いています。この球面の面積に対して、地球の断面積が占める割合を求めればOKです。地球の半径に6370kmという値を用いると、次のように計算できます。

球面の面積 = 4×π×(1億5000万km)2

地球の断面積 = π×(6370km)2

地球に届く割合
= 地球の断面積÷球面の面積
= π×(6370km)2 ÷ (4×π×(1億5000万km)2)
≒ 4.5×10-10

10-10というのは「1010分の1」という意味で、つまり「100億分の1」ということになります。

というわけで、太陽から出た光のうち地球に届く割合は「100億分の4.5」ぐらいとなりました。パーセントで書くと0.000000045%となります(0が8個)。

計算してみると勉強になった気がする!

太陽定数は普通に勉強していると出てきて何となくそのままスルーしてしまう数値なのですが、こうしてwikipediaなども使いながら他の数値との関係を計算したりしてみると、より実感がわいてきました。太陽の出すエネルギーのうちわずか100億分の4.5しか地球に届かないというのも、距離感を考えれば当たり前なのかもしれませんが、実際に計算してみると理解が深まったような気がします。

実際には地球に届いた1370W/m2のエネルギーは、雲や地表で反射されたりしますので全てが地球に吸収されるわけではありません。その吸収されたエネルギーと、地球が放出するエネルギー(放射冷却とか)がつり合うことで、いまの地表温度が成り立っている・・・という風に話が続いていきます。そのあたりのことがじっくり感じられて、ためになりました。

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